脳・脊髄の治療と脳ドック

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顔面けいれん・三叉神経痛

どちらも脳神経と血管が頭蓋内で接触し生じる疾患です。まずは正しく診断し治療可能かどうか判断することが大切です。


片側顔面けいれん

右または左側の瞼、頬、口角がぴくつき寛解増悪を繰り返します。細かいぴくつきが、必ず片側のみに連続しておこるのが特長です。瞼だけぴくついたり、両目がぴくついたりするのは眼瞼けいれんでまた別の疾患です。
まれに脳腫瘍、動脈瘤や能動静脈奇形が、原因の場合があるのでMRI検査は必須です。
片側顔面けいれんの原因は、顔面神経が脳幹から出る所に前下小脳動脈や椎骨動脈が接触し、神経が一部ショートすることで生じます。MRIではどの血管原因か類推はできます。
内科的な内服治療で有効なものはありません。治療としては以下のものがあります。

■ボトックス局所注射
もっともリスクの少ない治療です。けいれんがおきる筋に直接ボトックスを局所注射します。けいれんの頻度が少ないと筋が弛んでしまうのであまり効果はありません。また有効な期間は3ヵ月程度であり、繰り返し投与する必要があります。

■顔面神経減荷術
最も有効性の高い治療です。全身麻酔で後頭部に500円硬貨程度の小さい開頭を行い、顔面神経の脳幹からでる所と当たっている血管の間にスポンジをおいたり、バンドで血管を移動したりして直接当たらなくする方法です。リスクとして近くに聴神経があるため難聴になったりするなどあります。

あくまで機能的な治療になります。顔面けいれんがその人にとってどれだけ困るかが治療を受けるかどうかの判断になります。

                

三叉神経痛

片側の頬、下顎部や目の周囲に刺すような痛みが繰り返し生じます。虫歯の時に生じる痛みに類似することがあります。痛みは寛階憎悪を繰り返します。
三叉神経痛が脳幹から出るところに脳血管(大半上小脳動脈)が、当たり神経内で神経がショートすることで生じます。
診断は虫歯がないこととMRIでの検査は必須です。まれに脳腫瘍や動脈瘤、血管の奇形が原因であることがあります。
治療としては以下のものがあります。

■カルバマゼピン内服
カルバマゼピンを内服することで痛みが抑制されます。副作用として薬疹や眩暈、血球減少など出ることがあります。当初少量(200-400mg程度)から開始し痛みが止まるまで徐々に増量します。採血による血中濃度の測定も必要で上限を超えないことが必須です。内服治療は基本ずっと継続する必要があります。

■ガンマナイフ治療
痛みを生じる中枢に限局した放射線を照射する治療です。

■三叉神経減荷術
全身麻酔で後頭部に500円硬貨程度の小さい開頭を行い、顔面神経の脳幹からでる所と当たっている血管の間にスポンジをおいたり、バンドで血管を移動したりして直接当たらなくする方法です。手術直後より痛みは軽減し、大半消失します。合併症としては、顔面に痺れが生じることなどがあります。

減荷手術の概要
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