痙縮(脳卒中の後遺症)
脳卒中でよくみられる運動(機能)障害の一つに麻痺した手足がその後痙縮をおこし、障害を増強することがあります。
痙縮とは筋肉が緊張しすぎて、手足が動きにくくなったり、勝手に動いてしまう状態のことです。
痙縮症状の例
指が手掌に食い込み、手のひらに潰瘍を来したり、汗で湿り感染をきたしたりする。※1
麻痺側の上肢の屈曲が強く、服が通らず着せられない。※1
手が動くのに痙縮で固まっているため思った位置に持ってこれない。※1
麻痺側の足が尖足になり靴が履けない。※2
麻痺側の足が内側に内転し、足の裏で地面が踏めない。※2

※1上肢痙縮

※2下肢痙縮
脳卒中後痙縮に対するボトックス療法
このような症状を改善するのにボツリヌス毒素(ボトックス)による治療は有効です。
ボツリヌス菌が生成するポツリヌストキシンという天然のたんぱく質を有効成分とする薬を、直接筋肉内に注入することで痙縮を和らげます。
注入後あわせてリハビリを行うことで、より効果が高くなることが実証されています。
※脳卒中後痙縮や脳性麻痺での痙縮に対しては保険適応があります。
治療を希望される方へ
受診し、ボトックスの適応かどうかの医師の診察が必要です。
痙縮で困っていることを医師に相談してください。
合併症、リスクについての説明もします。
ボトックスの投与量を決め、投与日の予約をします。
診察時にポツリヌス療法が適応かどうかの判断と具体的な治療方法を決定します。まずは医師までご相談ください。
※火曜午後、ボトックス外来になります。(担当、松本勝美)
治療方法
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ボトックスを局所注射します。
注射前にリハビリ評価も受けます。
(1~2週間リハビリを行うとより効果が高くなります) -
注射3週間後に外来受診、ボトックスの効果を確認します。
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3ヶ月後再診、次回投与するかどうかを決めます。
薬の効果は約3ヶ月持続します。効果がなくなってきた頃に再度注射できます。
効果が長く持続する方も3ヶ月待てば元の状態に戻ります。